「食品添加物」について　①役目

「添加物」は、広義では、単純に「添加する物」ということです。
辞書では、「ある物に、あとから加える別の物。」となっています。
例えば、炒飯に胡椒を入れれば、胡椒は、炒飯にとって「添加物」ということになるわけです。

しかし、一般的には、食品において「添加物」という言葉を使う時は、「食品添加物」のことをいうことが多く、
「食品の製造過程または食品の加工・保存の目的で使用よされるもの」（※厚生労働省の説明概要より）
となっています。これらは厚生労働省で、成分の規格や使用基準が定められています。

因みに食品以外で「添加物」という言葉をよく目にするのは化粧品などでしょう。
これらもまた食品とは別の基準が設けられています。

時代や国によって基準などは様々で、使用目的も「保存、着色、甘味、香料」など、多々あります。
また、化学合成された物だけではなく、天然の物も「食品添加物」に含まれます。短絡的に「天然の「添加物」だから、からだには良い」などと、よく思われたりしますが、必ずしもそうではありません。

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日本では、戦後、食品添加物の制度ができました。その後、新たに使用が認めら、加えられた物、逆に危険性が発見され認められなくなった物など、様々な経緯を経て現在に至っています。また、日本に限らず世界各国において、それぞれの食文化、気候、環境を基に各国独自の判断基準の法律が定められています。以下が日本における食品添加物の定義と役目になります。

◆食品添加物の定義
「添加物とは、食品の製造の過程において又は食品の加工若しくは保存の目的で、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用するものをいう。」（食品衛生法第4条第2項）と定義されています。

◆食品添加物の役目
①食品の製造や加工のために必要な製造用剤
②食品の風味や外観を良くするための甘味料、着色料、香料など
③食品の保存性を良くする保存料、酸化防止剤など
④食品の栄養成分を強化する栄養強化剤
です。

大量生産、合理性、スピード、低価格が求められる現代では、ある意味、必要（＝不可欠）な物という見方ができるかもしれません。社会全体としても個々としても、両面において、非常に便利な物といえるでしょう。

具体的にみると、社会的には「腐らせずに、大量に、低コストで消費者の口に届けることができる」などのメリットがあり、また個々では、食品を入手した時、「夏でも長時間持ち歩くことができ、時間がない時に手間なく美味しい料理が一瞬に作れる」などの多くの利点があります。「添加物」のおかげでいろいろな意味で便利になったり、不可能が可能となったりしているということです。

今回の①では、法律的な視点で食品添加物の定義と役目を見てきました。
特に「２．役目」では、いかに「添加物」が日常的になっているかが改めて解ったかと思います。では、これだけ身近であるということは安全性についてはどうなのでしょうか。気になるところです。

次の②「安全性の判断」で考えていきたいと思います。