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断食と映画!~「誤診」(原題:「First Do No Harm」)~

ハリウッドを代表する名女優のメリル・ストリープが主人公の映画で、
「誤診」(原題:「First Do No Harm」) という1996年の作品があります。

難病の息子を救うために戦う母親を主人公に描かれたもので、事実をもとに作られたそうです。
最終的にたどり着いたのが、様々な投薬や手術ではなく、「断食(食事療法)」により回復するというお話しです。
劇中には、実際に病になり「断食(食事療法)」で回復した方々も出演しているそうです。

1.映画のあらすじ

平凡な家庭の幼い子供が、ある日突然、発作を起こします。
病院で診てもらった結果、てんかんであることが分かり、様々な投薬治療をスタートさせます。ところが、良くなるどころか、副作用により体力が落ち、衰弱していきます。また、性格も狂暴になるなど、元の元気だった息子がどんどんと変わっていきます。挙句の果てには、脳手術をするよう医師に告げられます。

しかし、母親は愛息子の様子から、今の治療法に疑問を感じ、自身で別の治療法を調べるのです。結果、たどりついたのが「食事療法(断食とケトン療法)」です。主治医たちの反対を押し切り、その食事療法をする医師を訪ね、治療がスタートします。
今までの薬漬け、副作用だらけの治療とは異なり、断食と食事コントロールをするだけの自然な治療法によって、みるみる回復していくのです。結果、息子は体力も取り戻し元気になり、その後てんかんの発作は起こさず大人になっていったという話しです。

2.映画から学べるテーマ

この映画のテーマ、見どころは一つではありません。
観る人がどこに魅かれるか、どこに気付きがあるかは、それぞれだと思います。
 ・母親の愛情
 ・医療の在り方
 ・選択と自己判断
 ・疾病に対する自然治癒力
などでしょうか。
今回は、上記のうち3つについて、私なりの見方と考えをまとめてみました。

①医療の在り方

映画の冒頭は、医学の父(ヒポクラテス)の言葉、それは医療の誓いのようなものから始まります。
「私はここに誓う、医業に忠実たること、同僚に公正たること、患者のため己の診断により養生法を施すこと、何より害をなさぬこと」とあり、最後の「何より害をなさぬこと」が実はこの映画の原題で「First Do No Harm」なのです。

劇中、息子が薬や医療の副作用により、どんどんと衰弱し悪化していきます。更には脳にメスを入れる治療を医師に薦められ、母親は考え始めます。「治療しているはずなのに、何故、悪化していくのか。」「幼い子供のカラダに、しかも脳にまでメスを入れるのは、本当に正しいのだろうか、誤っていないだろうか」と。

科学や医療の進歩は素晴らしく、たくさんの命を救ってきたでしょう。それは事実です。
しかしここで、観ている私たちに、ふと考える機会を与えていると思います。大切なことは、科学や医療に頼り過ぎるのではなく、動物としてまたは自然の一部として持つ、自然治癒力・自己回復力を見直してみる必要があるということではないかと。
高度な医療がない時代でも我々人間は、滅びずに生きてきました。そこには自然の力を利用した健康法や自然の物を活かす人々の知恵がありました。ヒポクラテスの教えに「断食」がありますが、自然な健康法、日々の養生などを、科学が発達した今こそ見直してみるべきではないかということだと思います。
科学を否定するわけではありませんが、薬を多く多用することは、本来の自分の回復力を削ぐ場合もあるということです。科学に頼るばかりではなく、時と場合によっては、自分の回復力を最大限に活かすことが、治療や健康への近見であることもあります。

②選択と判断

「選択と判断」ということも注目すべきポイントだと思います。息子が治療を受けているにも関わらず容体が悪化していくことから、この治療法に間違いはないのか、別の方法があるのではないかと母親が疑問を抱き始めます。自分で勉強し、調べた結果、薬などを使わない、ある意味原始的な方法である食事療法に母親はかけます。主治医の反対を押し切り、隠れ逃げるように新たな病院へと移動します。この判断力、行動力は、母親ならではだと思いますが、我々も自分に置き換えて映画を見てみるとよいと思います。

映画の最初の方に、親子で「はだかの王様」の絵本を読んでいるシーンがあります。王様は、はだかだと認識しているが、周りの人が「馬鹿にはみえない服」を着ていると、王様に言うわけです。馬鹿では有りたくない王様は、自分で服を認識できないにも関わらず、周りの人の言葉を信じ、服を着ているのだと自分に思い込ませます。
このシーンは伏線だと思うのですが、科学による現代医学が主流となっている中、母親は、特殊である自然療法、つまり通常とは異なる方法へとかけて、突き進みます。王様のように、初めは偉い医者たちの言う通りにしますが、最終的には自分を信じます。非常に勇気のいることだと思いますが、愛する我が子を強く思う気持ちからこのような決断に至るわけです。

医療の現場だけでなく、私たちの身近にもこういったことがあると思います。他人の意見を聞かないということではなく、場合によっては自身の目、判断を信じることが如何に大切かということを、この映画で考えさせられます。
食事相談や健康相談においても、様々な方法・やり方がある中、情報に振り回されている方をたくさんみかけます。健康情報はたくさんあり、科学の進歩により、常に新しい発見・証明されていることが多くあります。

しかし、人のカラダは皆異なっており、新しい方法が絶対とも限りません。人によって合うか合わないかそれぞれです。いくら医者や専門家が診ても、自身のカラダは自分自身にしか分からない感覚や直感のようなものが働くこともあると思います。最終的には納得のいくよう調べて判断し、決断するのは自分です。「テレビで謳っているから」「流行りの方法だから」といっても、自分に最適であるかは別物ということも多々あります。

何よりも最終的な責任は自分に掛かってきます。周りの状況や溢れる情報に流され、自分でしっかりと考えようとせず、自身の健康を他力本願的に捉えている方が非常に多く見受けられます。健康に限らず、自身で考え決断していくことの大切さも、劇中で教えてくれていると私は思います。

③治療としての「断食」

劇中では、てんかんという病を「断食とケトン食療法」によって克服しています。痩身や健康維持増進ではなく、深刻な病を治すための手段としての「断食」もあります。劇中の食事療法は、特にアメリカや韓国などを中心に医療現場で実際に行われているようです。冒頭であげたように劇中には、てんかんをこの食事療法で、実際に克服した方々が出演しているのですが、その後、皆、病気が再発することはなかったそうです。

この映画ではてんかんを克服するものでしたが、実は「断食」が他の様々な病を克服するための方法として、役立っている事例がたくさんあります。深刻な病から、「未病」といって具体的な病名がつかないが体調不良であったり、なかなか完治しないアレルギーなどの自己免疫疾患などを、「断食」による自然治癒力を最大限に活かして、改善、完治していくことが報告されています。中には、這ってしか歩けない状態にまでなり、死の宣告もされた不治の病を「断食」により克服し元気に過ごされている方なども実在します。

もちろん、何もかもが「断食」で良くなるわけではありませんが、自身がもつ自然治癒の力を活かし、カラダに負担のない方法があるということも、現代医療や薬に頼り過ぎている方に知って頂けたらと思います。
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