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天ぷらの盛り付け&食べ方

和食における盛付や食べ方には、基本やルールがあり、美しく見せるためのコツもあります。天ぷらの盛り付け方、懐紙の使い方、スマートな食べ方などについてみてみましょう。

1.盛り付け方

油を切ったものを出来るだけ温かいうちに敷紙を敷いた器に盛付けるのが基本です。
なるべく天ぷら同士が重ならないようにしつつ、立てかけるようにします。食材の特徴や色味などを配慮して順番を決めますが、基本は、手前より淡白な味のものから、順に濃い味のものへと盛り付けます。これは、食べる順番を意識したものです。
または、ボリュームのあるものは奥に、小さいものを手前したり、色の組み合わせが単調にならないことなども意識しましょう。食べにくいかき揚げなどは、あらかじめ切り分けて盛り付けることもあります。

2.敷紙について

天ぷらを盛り付ける際、器の上に敷く紙を敷紙と言います。別名や似た様なものがあるので、それらの違いについてもみてみましょう。また、天ぷらの敷紙の折り方や裏表の判別を知っておきましょう。

①敷く紙の名称や意味

天ぷらの皿に敷くものを「敷き紙(敷紙)」「天紙」「かいしき」などと言います。敷紙や天紙が一般的ですが、「かいしき」は、天ぷら以外でも使われます。「かいしき」は、(掻敷、改敷、皆敷、会敷)と書きますが、通常、ひらがなが多いです。基本的には料理の下に敷くもののことをいいます。お刺身や焼き魚などにも使われる、笹、シソなども含まれます。和菓子の世界では、食器の代わりに「かしわの葉」や「椎の葉」等があります。お寿司屋さんでみるハランや紅葉、刺身の敷かれている蓮の葉なども「かいしき」の一つです。紙のものを「紙かいしき」といい、植物のものを「青かいしき」とも言います。
ちなみに『懐紙』は、書いて字の如く、懐に入れて食事する際に使用したり、ちょっとしたメモを取ったり、食事の残りを包んだりします。「奉書紙」と言うこともありますが、これは広い意味で、紙の一種のことで、日本の歴史上、古文書で使用されたものをいいます。
  
②敷紙の折り方

基本的には、折山が手前にくることと、ツルツルした面が表になります。ザラザラした面は裏ということになりますが、この面を表にしてしまうと、天ぷらに紙の繊維が付着することがあります。
折り方はいろいろあり、華やかなものは、鳥や花の形に折ることもあります。また、慶弔で折り方がことなるので、覚えておくとよいでしょう。

3.天ぷらの食べ方

・天つゆと塩が出された場合、お店の方にお薦めを聞くか、お好みでいただきます。
 薬味は、大根おろし、お好みで選んで構いません。
・食べる順番は味の淡白な食材から食べていく方がおいしく食べられるため、手前から食べていきます。
 できるだけ盛り付けを崩さないよう、 美しさをなるべく保つつもりで頂きましょう。
 また、冷めないように熱いうちに食すのが料理人へのマナーにもなります。
・とりあげた天ぷらは取り皿にとり、一口で食べられないものは皿の上で食べやすい大きさに切りましょう。
 エビの尾を食べられない場合は懐紙で尾を挟み、お箸で身と尾に分け、2つ~3つに分けて身だけいただきます。
 尚、かじりかけを器においておくのではなく、一気にたべてしまいましょう。
・大根おろしやショウガなどは、天つゆに入れて混ぜても直接つけても、どちらも可です。
 天つゆを付ける場合、つゆの器を左手に持ち、天ぷらを3分の1くらいつけていただきます。
 また、塩、レモンは、天ぷらに直接つけて頂きましょう。塩は、指先に少しだけつまんで、飛び散らないように低い
 位置からふります。
・エビの尾やししとうの軸などを残す場合は皿の隅にまとめておきましょう。
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