和食における魚の盛り付けや食べ方には、基本やルールがあり、美しく魅せるためのコツもあります。姿焼き、切り身、川魚など様々です。
また、骨や皮などがあるため難しい点もありますが、基本を押さえれば、スマートに美しく食べることができます。そこで焼き魚の盛り付け方、食べ方、あしらいの基本を押さえましょう。また例外や特徴がある魚についても見ていきましょう。
1.焼き魚の基本の盛り付け
焼き魚は、切り身や姿焼きなどで盛り付け方、向きなどの基本があります。あしらいなどの扱いや、例外もあり、覚えにくいですが、知識として知っておくと良いでしょう。
●切り身:皮面が上に。帯のように細長い皮の場合は、皮を奥に。左右は、身が厚いほうが左側に。
●開き:身が表(上)になるように。
●尾頭付の焼き魚や煮魚:頭を左向きにして。
※日本料理では左側を上位に考えるので皿に余裕があれば、尾を右奥から頭を左手前に、
泳ぐように盛り付けるとより良い
背と腹の向きは、基本、海の魚は腹を手間にして川の魚は背を手前にします。しかし、例外があり、カレイは背を手前に、鮎は腹を手前にします。カレイは皮目が表になり、右向きになります。
●切り身:皮面が上に。帯のように細長い皮の場合は、皮を奥に。左右は、身が厚いほうが左側に。
●開き:身が表(上)になるように。
●尾頭付の焼き魚や煮魚:頭を左向きにして。
※日本料理では左側を上位に考えるので皿に余裕があれば、尾を右奥から頭を左手前に、
泳ぐように盛り付けるとより良い
背と腹の向きは、基本、海の魚は腹を手間にして川の魚は背を手前にします。しかし、例外があり、カレイは背を手前に、鮎は腹を手前にします。カレイは皮目が表になり、右向きになります。
コラム1:お皿について
和食の焼き魚の場合、やはり和風な色合いや絵柄があると良いでしょう。形は魚の形状に合った長方形のお皿があると重宝します。皿の余白が程よく、あしらいものもバランスよく盛り付けられ、使いやすいと思います。また特に焼き魚の場合には、土の陶器があるとベストです。お魚の形状や色に合わせて、お皿も楽しみながら選べるとよいですね。
コラム2:ヒラメとカレイの違い
「左ヒラメ、“ひ”で覚える」と良いとよく言われるが、目を上(表)にしたとき、ヒラメは顔が左側になるのに対し、カレイは右側になります。口の違いもあり、ヒラメは小魚を食べるので歯が発達していて口が大きく、カレイは反対に歯も口も小さいです。
身質は、ヒラメは身がしっかりしていて、刺身やフレンチ、カレイは柔らかく煮物やフライが適しています。そして、盛り付けですが、やはりヒラメは頭を左にし、カレイは右にします。カレイは、頭を左にすべきかと思う方もいるかもしれませんが、腹が上になり和食の魚の基本から外れてしまいます。
身質は、ヒラメは身がしっかりしていて、刺身やフレンチ、カレイは柔らかく煮物やフライが適しています。そして、盛り付けですが、やはりヒラメは頭を左にし、カレイは右にします。カレイは、頭を左にすべきかと思う方もいるかもしれませんが、腹が上になり和食の魚の基本から外れてしまいます。
コラム3:焼き方
「川は皮から、海は身から」川魚は皮目から先に焼いて、海魚は身の方から先に焼く、覚えやすい言いまわしがあります。理由としては、海魚は身は割れやすいので、身の側から加熱することで表面を固めたほうが綺麗に焼きあがるためです。それに対し、川魚は皮から焼いたほうが川魚独特の”くせのあるにおい”が抜けやすいためです。
また鮎などは、尾やヒレが真っ黒こげにならないよう、塩をつける「化粧塩」をして焼きます。因みに、鮎は、跳ねるように生き生き表現するための焼き方、盛り付けをします。
また鮎などは、尾やヒレが真っ黒こげにならないよう、塩をつける「化粧塩」をして焼きます。因みに、鮎は、跳ねるように生き生き表現するための焼き方、盛り付けをします。
2.飾りや薬味のような役割をする「かいしき」「あしらい」について
●“かいしき”とは、焼き物に特に使われる葉のことで、笹、しそ、みつば、青もみじなどをいいます。また、料理の下
に敷くものとして、紙のこともいいます。
一方、天ぷらや和菓子のときに使われるのは、懐紙や敷紙になります。ややこしいですね。
●“あしらい”とは、毒消しや食欲増進や魚の味との調整 そして彩りのために使われます。
盛り付ける位置は、右手前がよいです。
使い分けとして
照り焼き:味が濃厚なので、あっさりとした酢漬けや野菜の素焼き
塩焼き:塩辛さを緩和するのに、大根、甘酢漬け、甘い含め煮などが一般的です。
彩の工夫として代表的なのが
白:大根、カブ
薄紅色:酢漬け生姜(はじかみなど)、ミョウガ
緑:ししとう
黄色:栗など
に敷くものとして、紙のこともいいます。
一方、天ぷらや和菓子のときに使われるのは、懐紙や敷紙になります。ややこしいですね。
●“あしらい”とは、毒消しや食欲増進や魚の味との調整 そして彩りのために使われます。
盛り付ける位置は、右手前がよいです。
使い分けとして
照り焼き:味が濃厚なので、あっさりとした酢漬けや野菜の素焼き
塩焼き:塩辛さを緩和するのに、大根、甘酢漬け、甘い含め煮などが一般的です。
彩の工夫として代表的なのが
白:大根、カブ
薄紅色:酢漬け生姜(はじかみなど)、ミョウガ
緑:ししとう
黄色:栗など
コラム:はじかみとは?食べていい?
「はじかみ」とは:漢字で「矢生姜」と書く、葉生姜の一つで、芽生姜の酢漬けのことです。 焼き魚のあしらいとして添えられることが多く、紅色の鮮やかさが特徴です。早生で小ぶり(一株400g前後)の小生姜の新芽の部分を形を整え茹でて塩を振り、甘酢につける。「矢生姜」と言う名前で呼ばれているのは、矢のような形をしていることに由来しているそうです。
盛り付け方:魚に立てかけるように、白い部分を右手前に、ピンクを左上に斜めにします。
食べ方:ちょっとしたマナーがあります。全て食べるのではなく、枝状の半分程度の根の部分だけをかじるとされています。お箸で真ん中あたりをつまんだら、白っぽくやわらかい部分だけをかじり、ピンクの固い茎の部分はお皿に残します。 お口直しを主な目的とし、食後感をさわやかにしてくれます。食事の途中ではなく、お膳に上がっているお肉やお魚を食べ終わった後にいただきます。
盛り付け方:魚に立てかけるように、白い部分を右手前に、ピンクを左上に斜めにします。
食べ方:ちょっとしたマナーがあります。全て食べるのではなく、枝状の半分程度の根の部分だけをかじるとされています。お箸で真ん中あたりをつまんだら、白っぽくやわらかい部分だけをかじり、ピンクの固い茎の部分はお皿に残します。 お口直しを主な目的とし、食後感をさわやかにしてくれます。食事の途中ではなく、お膳に上がっているお肉やお魚を食べ終わった後にいただきます。
3.焼き魚の食べ方
基本的には、切り身も開きも含めて、頭(左)の背側から食すのが基本です。骨や皮などは、綺麗に皿の隅に寄せるようにしましょう。
姿焼きに関しては、尾や頭、ヒレ、骨などがついていて難しいので、少し詳しくみてみましょう。
1.ヒレを箸で取り除く
2.大きな魚の場合、左手で(懐紙を使い)頭を押さえ、背の頭のほうから尾に向かって食べます。背が食べ終わったら、腹側を同じよう頭から尾に向かって食べます。表身が食べ終わったら、絶対にひっくり返してはいけません。大きな魚は、尾と頭を中骨からおって、中骨の尻尾のほうから箸でつまみとり、皿の手前(自分側)におきます。鮎の場合、箸で全体を数回抑えると骨から身がとれやすいです。頭が付いたまま中骨を引き抜き、手前に置きます。
その他:小骨を口から出すときは、手でなく箸で口からだします。懐紙があれば隠しながら、無ければ左手で隠してだします。皿の隅のほうにまとめておく。鮎はたて酢の入った小皿を左手にもつか、懐紙で受けて食します。因みに、切り身の皮ですが、できれば食べたほうが見た目が綺麗です。もし残す場合は、やはりお皿の隅にまとめておきましょう。
姿焼きに関しては、尾や頭、ヒレ、骨などがついていて難しいので、少し詳しくみてみましょう。
1.ヒレを箸で取り除く
2.大きな魚の場合、左手で(懐紙を使い)頭を押さえ、背の頭のほうから尾に向かって食べます。背が食べ終わったら、腹側を同じよう頭から尾に向かって食べます。表身が食べ終わったら、絶対にひっくり返してはいけません。大きな魚は、尾と頭を中骨からおって、中骨の尻尾のほうから箸でつまみとり、皿の手前(自分側)におきます。鮎の場合、箸で全体を数回抑えると骨から身がとれやすいです。頭が付いたまま中骨を引き抜き、手前に置きます。
その他:小骨を口から出すときは、手でなく箸で口からだします。懐紙があれば隠しながら、無ければ左手で隠してだします。皿の隅のほうにまとめておく。鮎はたて酢の入った小皿を左手にもつか、懐紙で受けて食します。因みに、切り身の皮ですが、できれば食べたほうが見た目が綺麗です。もし残す場合は、やはりお皿の隅にまとめておきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。ある意味「焼いただけのお魚」にまつわるルールがこんなにあるとは思いませんよね。外国人がみたら驚くかもしれません。和食は、シンプルでありながら奥深さがあることがわかりますね。
日常からフォーマルなシーンまで、焼き魚は馴染みのあるお料理です。より楽しく、美味しく、美しく、焼き魚を堪能して頂ければと思います。
日常からフォーマルなシーンまで、焼き魚は馴染みのあるお料理です。より楽しく、美味しく、美しく、焼き魚を堪能して頂ければと思います。