Blog

近い未来、全て”人工食”になる?地球の恵みに感謝したくなる映画「ロラックスおじさんの秘密の種」

児童書を原作とした2012年アメリカのアニメ映画です。綺麗な映像で、ハイテクな近未来の街の様子と、妖精のロラックスおじさんが出てくるファンタジーな世界が、子供にも受け入れやすい作品です。それでいながら、「自然の大切さ・環境問題」そして「自然をもビジネスとして商品化し富を独占しようとする人間の姿」が、分かりやすく描かれている作品です。

制作は『怪盗グルー』シリーズ、『SING/シング』などを作ったイルミネーション・スタジオ。日本語吹き替えの声優さんには、今は亡き志村けんさん(ロラックスおじさん)、トータス松本さん(主人公の少年)、ノンさん、山寺宏一さん、リリコさんなども出演しています。日本ではそれほど広く知れ渡っていないかもしれませんが、大人にも子どもにおすすめしたい映画です。

1.あらすじ

~あらすじ~ 

環境破壊が進み、植物がない世界で生まれ育った少年が主人公です。本物の木がみてみたい少年は、ある人を訪ねます。その人から、何故、このような世界になったのかがわかります。解決策が一つだけあり、それは唯一残された種を何とか育てて、増やすこと。そしてその木には妖精の「ロラックスおじさん」がいることも後でわかります。「この種で街に自然を取り戻そう!」と少年は思うのですが、すんなりとはいきません。その街には、新鮮な空気を売って利益を得ている者がいて…。

2.自ら首を絞めている人類

今、農産物の世界では、「種」が実は危機的状態にあります。植物そのものも勿論大切ですが、その源となる“命の種”。これを大事にしなければならないことが、私にはこの映画をみていて、“農産物の種問題”とリンクしました。

さらに、近い将来「水」の覇権争いが起きるとも言われたりしますが、この映画では、空気を売ってビジネスをする者が登場します。彼らにより、自然の恵みに関する知識が失われ、いつしか自然を汚物として扱い、忌み嫌う人達で人類は溢れかえります。これも今の私たちへの大きなメッセージといえるでしょう。

どうしても目先の事(お金)にとらわれてしまうのは、人間であるからのことでもありますが、自分たちの首を自分たちで絞めていることに気が付かない私たち。大きな視点で、わたしたちにとって何が大切であるのかを本気で考えるときに来ています。

植物、水、空気、そしてそこから頂ける「私たちの命となる食べ物」、そして“循環”について。自然なしに、私たちは生きていけないことを、難しいかもしれませんが、子どもたちにも分かってもらえればと思います。子供だけでなく大人にもこの映画をきっかけに、食や自然や環境について考えていただければと思います。
to top